高レイノルズ数の流れを記述するモデルの数理

京大 数理解析研究所 RIMS研究集会

開催日程 2016年7月13日(水)--15日(金)

開催場所 京大 数理解析研究所 420号室 (交通案内)

研究代表者 藤 定義 (京都大学 理学研究科)

プログラム (PDF)

7月13日(水)


    13:25--13:30  研究代表者 挨拶

    13:30--14:00  有木健人(名古屋大学 未来材料・システム研究所)
 Reynolds応力の平方根テンソルを用いた乱流構成式モデル
    14:00--14:30  巽友正(京大名誉教授)
 自由減衰一様等方性乱流の完全正規性
    14:30--15:00  岩山隆寛*(神戸大院理)、渡邊威 (名工大院工)
 α乱流のエンストロフィー慣性領域の力学

    15:30--16:00  渡邉智昭*、長田孝二 (名大院)
 乱流中の分子拡散過程のモデリングとLESへの応用
    16:00--16:30  堀内潔*、鈴木葵 (東工大院工)
 Elasto-inertial turbulenceにおける反変・共変高分子の配向とエネルギー伝達
    16:30--17:00  Jianchun Wang*, Toshiyuki Gotoh, and Takeshi Watanabe (Nagoya Institute of Technology)
 The effect of shocklets on the statistics in compressible isotropic turbulence

7月14日(木)


    9:00--9:30  荒木圭典*(岡山理大工)、三浦英昭 (核融合研)
 Hall MHD の非線形エネルギー輸送のノーマルモード解析
    9:30--10:00  三浦英昭*(核融合研)、荒木圭典(岡山理大)、半場藤弘(東大)
 磁化プラズマMHD乱流へのHall項の影響とラージ・エディ・シミュレーション
    10:00--10:30  Abhishek L. Pillai*, Ryoichi Kurose (Department of Mechanical Engineering and Science, Kyoto U.)
 Numerical Investigation of Combustion Noise in Turbulent Non-Premixed and Spray Jet Flames

    11:00--12:00  村田佳樹 (慶應義塾大学日吉物理学教室)
 時空の乱流

    13:30--14:30  金田行雄*(愛知工大)、森下浩二(神戸大)、石原卓(名古屋大)
 壁乱流対数則領域の二点統計- Karman 定数 とKolmogorov 定数
    14:30--15:00  岡村誠(九大応力研)
 ラグランジュ表示における一様等方性乱流のクロージャー

    15:30--16:00  水野吉規(同大理工)
 チャネル乱流におけるエネルギー輸送のスペクトルとスケーリング
    16:00--16:30  大西領*(海洋研究開発機構)、Axel Seifert (ドイツ気象局)
 慣性粒子の乱流衝突頻度因子のレイノルズ数依存性
    16:30--17:00  齋藤泉*、後藤俊幸、永井一輝(名工大工)
 積雲内における雲粒から雨粒への成長

    17:30--  懇親会

7月15日(金)


    9:00--9:30  西浦和孝*(東北大院工)、永弘進一郎 (仙台高専)
 一様流中で振動するシートの動的な抗力係数
    9:30--10:00  稲垣和寛*、横井喜充、半場藤弘(東大生研)
 回転系乱流における非一様なヘリシティの効果とそのモデリング
    10:00--10:30  佐々木洋平*(京大院理),竹広真一(京大数理研),石岡圭一(京大院理),中島健介(九大院理),林祥介(神戸大院理)
 高速回転する球殻内の熱対流により引き起こされる表層縞状構造

    11:00--12:00  高本亮(東大理)
 高エネルギー天体現象と乱流による相対論的強磁場散逸の加速

    13:00--14:00  大木谷耕司(シェフィールド大学)
 ナビエストークス方程式の解の特異点のベクトルポテンシャルによる特徴付け
    14:00--14:30  沖野真也*、花崎秀史 (京大院工)
 高プラントル数のスカラーによる成層乱流の大規模直接数値計算
    14:30--15:00  横山直人*(京大院工)、高岡正憲 (同大理工)
 成層乱流のエネルギースペクトル中の異種乱流領域の同定
    15:00--15:30  河原源太*,長谷川久晃 (阪大基礎工),Markus Uhlmann (KIT),加藤健司 (阪市大)
 多孔質チャネル乱流の構造と非相似的熱・運動量輸送

講演要旨


Abhishek L. Pillai*, Ryoichi Kurose (Department of Mechanical Engineering and Science, Kyoto U.)
Numerical Investigation of Combustion Noise in Turbulent Non-Premixed and Spray Jet Flames.

Turbulent combustion in the form of gaseous non-premixed and spray flames encountered in the combustors of gas turbine engines generates substantial noise. Combustion noise is responsible for inducing combustion instability in the combustor, while also manifesting itself as noise pollution. Therefore, understanding the noise phenomena in turbulent non-premixed and spray combustion has become relevant. In this context, a turbulent (H2/N2) non-premixed flame and an Ethanol spray flame have been investigated using Direct Numerical Simulation (DNS). Both these flames have been investigated experimentally in separate studies, previously. For the spray flame, the carrier gas phase is solved using the Eulerian procedure, while the motion of evaporating Ethanol droplets is described by Lagrangian approach. The computed results of flow field statistics (velocities and temperature) show good agreement with measurements. Analysis of noise characteristics of the turbulent non-premixed flame and the spray flame presented here, show the noise behavior in the two different types of combustion.


荒木圭典*(岡山理大工)、三浦英昭 (核融合研)
Hall MHD の非線形エネルギー輸送のノーマルモード解析

非圧縮性の Hall MHD プラズマにおける一様等方乱流によるエネルギー輸送の特徴を、一般化エルセッサ変数によるノーマルモード分解をして解析をした結果を報告する。ホイッスラーモードとイオンサイクロトロンモード間の相互作用はホイッスラー同士、イオンサイクロトロン同士の相互作用に比べて弱いことが分かった。


有木健人(名古屋大学 未来材料・システム研究所)
Reynolds応力の平方根テンソルを用いた乱流構成式モデル

乱流構成式モデルは、乱流の平均場による現象論的理解を可能とし、工学・気象・天文を始めとする分野で、実用モデルとしてしばしば用いられる。ところが、一般にこれらのモデルは、現象論的であるが故に、非物理的解を含む場合があり、結果として、予測精度を大きく損なうことが知られている。本研究では、Reynolds応力の実現条件であるSchumannの条件に着目し、これを自動的に満たす簡潔な手法を提案する。


堀内潔*、鈴木葵 (東工大院工)
Elasto-inertial turbulenceにおける反変・共変高分子の配向とエネルギー伝達

共変型高分子の添加溶液では反変型の添加に比べて、より大きな抵抗低減が起きる事がBDS-DNSにより示されている(ながれ、35巻 p.133 2016)。ここでは、高分子の配向の解析により、この機構の解明を行い、共変型では高分子エネルギー生成に寄与する配向と散逸の生成に寄与する配向が存在し、前者が卓越する事を示した。


稲垣和寛*、横井喜充、半場藤弘(東大生研)
回転系乱流における非一様なヘリシティの効果とそのモデリング

回転・旋回運動を伴う流体運動においてはしばしばヘリシティ(速度-渦度相関)を伴った乱流場が形成される。本研究では外力を用いて非一様な乱流場を形成するLarge Eddy Simulationを実行し、外力のヘリカルさの効果と非一様方向に垂直な軸を持つ系の回転の効果による乱流場の振る舞いの違いを調べた。その結果ヘリカルな外力を用いた回転系において、回転軸方向の平均速度が維持形成されることがわかった。さらにReynolds応力の輸送方程式を用いて平均速度の維持機構を考察し、ヘリシティを含んだReynolds応力の代数モデルを導出した。


岩山隆寛*(神戸大院理)、渡邊威 (名工大院工)
α乱流のエンストロフィー慣性領域の力学

一般化された2次元流体の強制散逸乱流(α乱流)のエンストロフィー慣性領域におけるエンストロフィー輸送を渦減衰準正規マルコフ化完結近似方程式によって解析した.一般化された2次元流体系の支配方程式は非線形項にパラメターαを含み,αの増大とともに速度場と移流される物理量(一般化渦度)のスケール分離が増大する.低波数向きのエンストロフィーフラックスはαの増大とともに減少して,α=2(NS系)では正味のフラックスは高波数向きのフラックスだけでしめられる.またαの増大とともにより拉げた(非局所な)三波によってエンストロフィーが輸送される.このような特徴を考慮して,EDQNM近似のエンストロフィーフラックスを漸近解析することにより,過去の研究で知られているα=2におけるエンストロフィースペクトルの冪側の転移を導出できることを示す.またスペクトルの冪側の転移の次元解析による説明とのEDQNMからの導出を比較する.


金田行雄*(愛知工大)、森下浩二(神戸大)、石原卓(名古屋大)
壁乱流対数則領域の二点統計- Karman 定数 とKolmogorov 定数 [招待講演]

乱流境界層における対数則を特徴づけるKarman定数は、乱流中のエネルギースペクトルの-5/3乗則を特徴づけるKolmogorov定数と並び、乱流理論における代表的な定数である。この二つの法則(あるいは近似)および二つの定数はともに、Navier-Stokes方程式に内在しているはずのものであるが、その数学的に厳密な理論的導出は知られていない。-5/3乗則とKolmogorov定数については、Lagrange的2点完結近似に基づく導出が知られている一方で、対数則とKarman定数についてはそのような近似的導出さえも知られていない。

ここではその導出の手掛かりを得るために行った、一連の乱流の大規模直接数値シミュレーション(DNS)のデータ解析による結果のいくつかについて報告する。そのDNSは平行平板間乱流の壁レイノルズ数が最大5120に及ぶ大規模なものである。とくに対数則領域における2点統計に注目し、いくつかの特徴的長さスケールを分類したあと、その2点相関あるいは速度スペクトルについて紹介する。乱流を記述するモデル、実験/DNS、乱流理論と関係についてのある視点も紹介する。


河原源太*,長谷川久晃 (阪大基礎工),Markus Uhlmann (KIT),加藤健司 (阪市大)
多孔質チャネル乱流の構造と非相似的熱・運動量輸送

多孔質壁をモデル化した貫通壁面を有するチャネル乱流の構造と熱運動量輸送の非相似性について直接数値シミュレーションにより調査した結果を報告する.


三浦英昭*(核融合研)、荒木圭典(岡山理大)、半場藤弘(東大)
磁化プラズマMHD乱流へのHall項の影響とラージ・エディ・シミュレーション

一様一定な磁場を伴うMHD乱流に、Hall項が与える影響を直接数値シミュレーションで調べる。このHall効果の再現を必要条件として、Hall MHD乱流のラージ・エディ・シミュレーションを実施する。Smagorinsky型のサブグリッドスケールモデルをHall項にも適用し、Smagorinsky定数を最適化することで、グリッドスケールでのエネルギースペクトルや、Hall効果によって現れる管状渦構造を再現し得ることを示す。


水野吉規 (同大理工)
チャネル乱流におけるエネルギー輸送のスペクトルとスケーリング

直接数値計算により、チャネル乱流における乱れのエネルギー輸送のスペクトルを調べた。内層と外層のオーバーラップ領域におけるエネルギーフラックスには壁から離れる方向と近づく方向のものがあり、それらは異なる特徴的長さをもつことがわかった。また、後者のフラックスは、外層から壁のごく近傍(壁単位でO(1)の位置)までエネルギーを運ぶことがわかった。


村田佳樹 (慶應義塾大学日吉物理学教室)
時空の乱流 [招待講演]

一般相対論は時空のダイナミクスを記述する理論であり、その基礎方程式であるアインシュタイン方程式は非線形偏微分方程式として与えられる。一般相対論には乱流現象は現れないのであろうか?近年、Bizon-Rostworowskiにより一般相対論における"乱流"現象が発見された。反ドジッター時空は任意に小さい摂動に対して乱流不安定性を起こし、ブラックホール時空に転移するというのである。本講演ではまずBizon-Rostworowskiの研究のレビューを行い、最近の発展、特に一般相対論における乱流の発生条件についても紹介する。また、我々が最近行っているゲージ・重力対応への応用についても話し、場の理論的な意義を考察していく。


西浦和孝*(東北大院工)、永弘進一郎 (仙台高専)
一様流中で振動するシートの動的な抗力係数

風洞内に固定された薄いシートは、風速がある閾値を超えるとはためき運動が起こり、このとき抗力が不連続に増加する。我々は、PIV撮影によって可視化した速度場から、運動量保存則を用いることによってシートに作用する抗力と揚力を求めた。抗力係数ははためきとともに時間変化するが、その値が一時的に負になることを見いだした。すなわち、シートに働く抗力が瞬間的に流れの上流方向へ向かっていることになる。講演では、定量的な解析に加えて、SPHによる数値解析結果、および魚の運動とはためき運動の関連についても議論する予定である。


大木谷耕司(シェフィールド大学)
ナビエストークス方程式の解の特異点のベクトルポテンシャルによる特徴付け [招待講演]

3次元ナビエストークス方程式の解の爆発の判定条件の1つに、速度のL3ノルム |u|_L^3 に依るものがある。埋め込み |A|_BMO < |u|_L^3 を考慮すればベクトルポテンシャル A を用いて、爆発現象を特徴付けできる可能性がある。ここでは、爆発が起きるとき A が満たさねばならない条件を、 sup |A| を含む形で導出する。次に、最も簡単な例として、時空で等方的な特異点を考え、この場合にはsup |A| も、その BMOノルムと共に非有界になることを示す。|A|_BMOが実際に判定基準になるかどうかは今のところ分かっていない。Koch & Tataru (2001) の研究との関連にも言及する。最後に、(既に正則性が分かっている)2次元ナビエストークス方程式の場合にも同様な解析を行う。


岡村誠(九大応力研)
ラグランジュ表示における一様等方性乱流のクロージャー

一様等方性定常乱流における二次モーメントの,調整パラメーターを含まない新しいクロージャーモデルを二つの仮定のもとでナビエ・ストークス方程式から導出した.これを使って,コルモゴロフ定数を1.66と評価した.


沖野真也*、花崎秀史 (京大院工)
高プラントル数のスカラーによる成層乱流の大規模直接数値計算

水中における塩分の分子拡散は非常に遅いため、塩分変動の最小スケールを直接数値計算によって解像することはこれまで困難であった。本講演では、大規模な直接数値計算によって、水中の塩分に相当する、プラントル数が700のスカラーによる成層乱流について調べた結果について述べる。


大西領*(海洋研究開発機構)、Axel Seifert (ドイツ気象局)
慣性粒子の乱流衝突頻度因子のレイノルズ数依存性

等方性乱流場中の微小慣性粒子の運動を計算する大規模並列DNSを用いて、テイラーマイクロスケール基準乱流レイノルズ数(Reλ)が1,140にも及ぶ乱流衝突統計量に関するデータセットを構築した。そのデータセットを用いて、レイノルズ数依存性を考慮した衝突併合因子モデルを開発した。Ayala-Wangモデルという既存のモデルと比較を行った結果、二つの衝突併合因子モデルは、ReλがO(10^2)という低いレイノルズ数の時にはよく一致する、一方で、現実的な対流雲で見られるReλ=O(10^3~4)という高レイノルズ数域では大きな違いがあることがわかった。


齋藤泉*、後藤俊幸、永井一輝(名工大工)
積雲内における雲粒から雨粒への成長

雲乱流中の雲粒子から雨粒子への成長過程を第一原理に基づいて計算するモデルを開発した。このモデルでは上昇流に伴って移動する立方体領域を考え、領域内の乱流と粒子の時間発展をそれぞれEuler及び Lagrange 的手法によって直接数値計算する。 約10分(50万ステップ以上)の長期積分により、約10μmの雲粒子は数百μmの雨粒にまで成長した。この成長過程に対する乱流、凝結/蒸発、衝突の影響について報告する。


佐々木洋平*(京大院理),竹広真一(京大数理研),石岡圭一(京大院理),中島健介(九大院理),林祥介(神戸大院理)
高速回転する球殻内の熱対流により引き起こされる表層縞状構造

木星型惑星の表層大気を念頭に,高速回転する薄い球殻中の熱対流の高解像度数値計算を行なった.対流によって低緯度の赤道超回転および中高緯度の縞状構造が形成されるものの,さらに時間積分を続けると中高緯度の縞状構造が消失してしまう.


高本亮 (東大理)
高エネルギー天体現象と乱流による相対論的強磁場散逸の加速 [招待講演]

宇宙では相対論的速度を持つ様々な高エネルギー天体現象が知られている。特にAGN jetやガンマ線バースト、パルサーなどは光速の99%を超える速度を持つプラズマが付随していることが観測から示されているが、その加速機構は未だ解明されていない。近年ブラックホールや中性子星などの中心エンジンの研究から、これらの天体は電磁場優勢のoutflowを駆動する事が明らかになってきている。観測で示唆される速度を得るためには電磁場に蓄えられたエネルギーをプラズマの運動エネルギーに変換することが必要だが、十分な早さで磁場を散逸出来る物理機構は未だ不明確である。

本発表では、相対論的強磁場の散逸機構として相対論的磁気リコネクションについて議論を行う。磁気リコネクションは粒子加速や効率の良い磁場散逸の物理機構として、様々なプラズマ現象で研究がなされている。本研究では高エネルギー天体現象を局所モデル化した、相対論的プラズマ中での磁気リコネクションと乱流による影響についての研究成果を報告する。また相対論的磁気流体乱流とその圧縮性効果についての最新の結果も報告する。


巽友正(京大名誉教授)
自由減衰一様等方性乱流の完全正規性

発表者は年来、乱流の多点速度分布を支配するLundgren-Monin方程式系を、「交差速度独立性仮説」を用いて完結させる手法を追及してきたが、最近、この理論の厳密な結論として、一様等方性乱流においては、二点交差速度分布は、二点間距離のすべての領域において厳密に「正規分布」に従う(ただし、交差エネルギー、交差散逸率は、局所領域では距離の関数)ことが示された。

この結果は、Kolmogorov理論、およびいくつかのDNSの結果の「非正規性」と合致しないが、それは、それらに共通の時間的定常性の前提によるものであり、減衰乱流においては厳密な「正規性」が示される。


Jianchun Wang*, Toshiyuki Gotoh, and Takeshi Watanabe (Nagoya Institute of Technology)
The effect of shocklets on the statistics in compressible isotropic turbulence

We study the effect of shocklets on the statistics in compressible turbulence by numerical simulations of stationary compressible isotropic turbulence at the turbulent Mach number from 0.5 up to 1.0, and at Taylor Reynolds number from 110 up to 250. We report that there is a power law scaling region for the probability density functions (PDF) of the shocklet strength Mn-1 (Mn is the normal shock Mach number), as well as for the PDF of velocity divergence, at different turbulent Mach numbers. We also investigate the scaling behaviors of structure functions of compressive velocity, density, temperature and pressure. We present that the scaling exponents are saturated at high orders with the saturation exponents close to 1.0. This observation is similar to Burgers turbulence, which can be attributed to the effect of shocklets.


乱流中の分子拡散過程のモデリングとLESへの応用
渡邉智昭*、長田孝二 (名大院)

乱流中で生じる化学反応過程を数値的に予測する際,分子拡散の効果を如何にモデル化するかが重要となる.本講演では,空間的に分布する計算粒子を用いた分子拡散のモデル化手法について提案する.二次元噴流拡散場のDNSデータベースを用いてモデルの検証を行った結果について述べる.また,提案したモデルのLESへの適用についても紹介する.


横山直人*(京大院工)、高岡正憲 (同大理工)
成層乱流のエネルギースペクトル中の異種乱流領域の同定

成層乱流のエネルギースペクトルでは、低波数領域に内部重力波による波動乱流と、高波数領域に渦による(狭義の)流体乱流が共存することが知られている。波と渦の時間スケールに着目し、これらの異種乱流の境界をなす波数を同定する。